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執筆者の写真Ryutaro Tokutsu

2020年7月22日 bioRxivにPreprintを投稿しました

更新日:2020年11月16日




緑藻の紫外線応答に関するPreprintをBioRxivサーバに投稿しました。


本研究では、緑藻に異なる色(波長)の光を照射し、光防御に関するタンパク質(LHCSR1 およびLHCSR3)が異なる色に応答して蓄積することを見出しました。


植物や藻類は、周辺から得られる環境情報の一つとして光を利用します。

これまでの研究から、緑藻では青色の光が強すぎる光から身を守る反応(光防御反応)に必要なLHCSR3タンパク質の蓄積に必要であることがわかっていました。


本研究では、もう一つの光防防御タンパク質LHCSR1の蓄積に注目し、緑藻に様々な光を照射しました。

その結果LHCSR1は紫外線、特にUV-A領域と呼ばれる長波長の紫外線に反応して蓄積することがわかりました。


本研究で明らかになったUV-A領域での光応答は、比較的短波長の紫外線(UV-B)を利用した陸上植物の紫外線応答とは異なります。

このような紫外線応答の違いはこれまでに報告されておらず、緑藻がなぜUV-A領域の紫外線を感知するようになったのか、そして陸上植物ではなぜUV-Bを感知しなければならなかったのか、その謎に迫るキッカケになると期待されます。


もしかしたら、藻類と植物を取り巻く周辺環境(水中と陸上)の変化が紫外線応答の違い(生物進化)を生み出したのかもしれません。



今後は緑藻のUV-A応答の分子メカニズムの解明を通して、現在の陸上植物のUV-B応答の進化過程に迫りたいと思います。

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