2023年5月15日から始まった理学部3回生の生物学実習(4週間!)が終わりました。
得津は第3週と第4週における実習において蛍光観察、生化学、そして光合成活性測定を担当しました!
まずは下記3つの生物学実験操作の習得を目指します。
「生きた細胞中のタンパク質の振る舞いを見る」=ライブセルイメージング
「細胞内におけるタンパク質の量を生化学的に定量する」=イムノブロッテンング
「細胞からタンパク質を精製・相互作用を調べる」=アフィニティ精製・共免疫沈降精製
実際の実験内容は昨年度・初回時に作り込んだこともあり、大幅に変更することなく少しだけのアップデート(下記)に留めました。
本年度は、実習とはいえ出来るだけ最新の知見にも触れてほしいという思いから蛍光タンパク質を使った実験において昨年発表されたばかりのStayGoldを材料として実習を行いました。
他のさまざまな蛍光タンパク質が励起光によってあっという間に褪色してゆく一方で、宿主細胞が励起光で焼け死んだ後もなお煌々と光り続けるStayGoldを見てもらうことができて良かったです。
また、異なる蛍光タンパク質(青・黄・橙色)/エピトープタグ(3種)を融合させた3種の異なるタンパク質を一つの宿主細胞に発現させてクロロフィル蛍光を含む4色蛍光イメージングしてもらい、その後それぞれのタンパク質を融合させたエピトープタグを標的として生化学的に精製してもらいました。
細胞からのタンパク質抽出・SDS-PAGE等
事前の聞き取り調査では実習生は3名とも「マイクロピペットを使って実験するのは初めて」とのことでしたが、(ちょっぴりSDS-PAGEの泳動が乱れたものの)大きな失敗をすることなく上手に標的タンパク質を精製できていました。素晴らしいですね!
これらの蛍光タンパク質を使った実験に加えて、植物細胞が持つもう一つの蛍光「クロロフィル蛍光」を利用した実験も体験してもらいました。
理学研究科の数ある研究室の中でせっかく植物を材料とした研究室に実習を受けにきてくれているので、動物を材料とした研究室では滅多に体験できない光合成測定の便利さや魅力を伝えるべくパルス変調を利用したクロロフィル蛍光測定の簡単な原理説明、そして実習生たちが自分で採取した多様な植物サンプルについて実際に光合成活性測定を行なってもらいました!
植物採取&光環境測定。葉の陰では赤色と青色の光が減り、代わりに緑色と遠赤色光が透過します。
植物たちは、このような光環境を認識しながら光合成機能を調節しています。
パルス変調クロロフィル蛍光測定器を使った葉や花弁における光合成活性の測定。
本日をもって予定通り全ての実験が無事に完了し、実習としては大成功だったのではないかと思います。
また、実習期間中に色々と研究に関する質問や、進路相談をしに来てくれる学生さんがいたのも嬉しかったですね。 そういった意欲的な学生さんとお話するのはとても楽しいですし、是非卒研で所属研究室に来てもらえれば・・・と思ったり・・・。
実習生のみなさま、お疲れ様でした!
それにしても優秀なTAがいるといつの間にか準備や後片付けが終わっているので本当に助かりますね!
TAのみなさま、本年度もお世話になりました。お疲れさま&ありがとうございました!
それでは、また来年・・・!?
Comments